小学校教師生活30年目の私が考える自己肯定感
自己肯定感は人生を通して 緩やかに上げられたらいい


学校現場では子供達の自己肯定感を高められる教師になりたいと主張する教師が増えている。増えているというより、それ一色にそろえられてきていると言っても過言ではない。
自己肯定感は褒めると上がるので、叱らないよう努める教師が増える。児童を叱ることが多い教師は、他の職員や管理職、保護者からも反発が強くなる。だったら、なるべく叱らないで済むように対応するほうが得だ。叱らないためには、児童の問題行動にはいちいち向き合わない方がいい。例えば、トラブルが起こって困っている子が相談しても「悪口を言うな」と言えば、告げ口する子が減るといった方法で。
そもそも「自己肯定感」も「悪口」も言葉の解釈が教師によって違いすぎる。悪いことを悪いと叱れない学校は努力が認められる場所ではなくなっている。努力している子の方が不登校や保健室登校になって担任が叱らないで済むようにうまく立ち回って気に入られる子の方がより認められている。
そんな小学校が増えすぎて教育が迷走し続けた結果、我慢しない人は周りに迷惑をかけ続けてもその自覚もなく、努力を続ける人の方が心が壊れるまで我慢し続ける状況が職場や結婚生活に蔓延する世の中を作っている。
必要な我慢を続けて乗り越えるからこそ、努力することの楽しさを知ることが出来るってことを、学校は教える場所のはずなのに。
学校は努力が認められる場所でなければならない